自宅で愛犬をトリミングするコツ
「自宅でトリミングをしてみたいけど、やり方がわからない」「愛犬に怪我をさせないか不安」――そう言った多くの方へ向けて、この記事では自宅トリミングに役立つ知識と、おすすめのトリミング用アイテムも紹介していきます。
トリミングサロンに任せるのが一番安心だとわかっていても、費用や時間、そして何より愛犬との時間を大切にしたい気持ちは変わらないもの。自宅でのトリミングのやり方をマスターして、暑い夏や寒い冬に外出しなくてもいいように知識をつけておきましょう!
注意:この記事ではトリミング※をグルーミング※と区分けせずケアの観点からどちらにも当てはまるように執筆しています。記事ではトリミングという言葉を使っていますが、一部グルーミングの内容も含めています。
トリミング=被毛をカットして形を整える / グルーミング=ブラッシング、シャンプー、爪切りなど
自宅トリミングのメリットは?
愛犬を自宅でトリミングするのは大変なことばかりと考えていませんか?
確かにトリミングサロンに任せた方がいいという考えは正しいと思いますが、自宅でのトリミングはやり方さえ注意すれば多くのメリットがあります。
■ 愛犬のストレスを最小限にできる!
犬は外へ出かけることは気分転換になりますが、知らない場所へ行く道のりやその場所に不安やストレスを感じるもの。だからこそ自宅でトリミングをすることは、安心できる場所にいながら、最愛の飼い主にトリミングを通じて愛情を注いでもらうことができる機会です。
心からリラックスした状態でいられるからこそ、慣れないトリミングに少し不安を感じていても、それは知らない場所で感じる不安やストレスと比べれば大きなストレスにはならないのです。
■ 健康チェックの機会になる
普段から愛犬の体に触れることは、小さな異変を見つける絶好の機会です。
日々触れているとはいえ、こういったトリミングという機会に触れる際はより意識が向きやすいことは飼い主さんにとってもいい機会ではないでしょうか。
皮膚の赤み、しこり、傷、フケの増加、耳の汚れ、爪の異常など、プロでも見つけにくい些細な変化にも気づくことができます。犬も人間同様に何かのトラブルは早期発見に越したことはありません。
こうした健康チェックの機会を、自宅トリミングという時間にあわせて行うのがおすすめです。
■ 犬との愛情を深める時間になる
いつも触れ合っている時間と、トリミングの時間に大きく違うのは、自分だけに向き合っているかという点です。日々のふれあいは、当然生活をしていれば家事のことを考えたり、ついスマホをみながら犬に触れていたりと、本当の向き合いの時間を作るのは無意識には難しいことだと思います。自宅でトリミングを行うことで、飼い主さんも愛犬のことだけを考えながらケアを行うことで、犬にとっては愛情を感じることのできる特別な時間になります。
不安をなくす自宅トリミングのやり方は?
飼い主さんにとっても愛犬にとっても、初めての自宅トリミングとなると不安な点もいろいろでてきますね。そんな不安を取り除くために、以下では気をつけるべき点とそのやり方について紹介します。
愛犬の心に寄り添う
■ 焦らず慣らしながら行う
犬にとってトリミングとはいえ何をされるかわからない不安があります。
トリミングは「気持ちいい時間」だと、愛犬に覚えてもらうことが何より大切です。
これは自宅トリミングの時間に限らず、日頃から優しく声をかけながらブラッシングしたり、足を触ったりするスキンシップを重ねることで自宅トリミングの当日も犬は安心してケアを受けることができるようになります。
触られた後に飼い主さんに褒められたり、ご褒美のおやつをもらうことで、愛犬はケアをポジティブな体験と捉えるようになります。
特に、バリカンを当てる足先や耳、口周りなどを重点的に触る練習を日頃から行っておきましょう。
■ 道具の音を怖がらせない
バリカンやドライヤーの音を嫌がる犬は少なくありません。人間で言う歯医者さんの音みたいなものですね!
最初は電源を入れずに体に当ててみたり、近くで動かしたりして、音や振動に恐怖心を持たせないように焦らずにゆっくりゆっくり慣らしていきましょう。
少しずつ音量を上げて慣れさせたり、おやつを与えながら「怖くないよ」と教えてあげたりするのも一つの方法です。これならうちの子は安心してくれるかなと試しながら、慣れさせていきましょう。
自宅トリミングを行うスペースは?
■ おすすめのスペース
毛が飛び散っても掃除しやすい洗面所やバスルームがおすすめです。さらに床にはビニールシートや新聞紙を敷いておくことで、後片付けが楽になります。
■ 安全対策
高い台などに乗せてトリミングを行う場合は、犬が滑って落下しないよう、台に滑り止めシートを敷きましょう。また、壁や部屋の角を利用したりして、落ちないように安全を確保しましょう。
トリミングのやり方としては、台のフチの方へ犬が近づかないように注意し、常に片手を添えながらトリミングを行いましょう。
万が一に備えて、動物病院が空いている時間に行うのも大切かもしれません。
■ 落ち着いた雰囲気作り
人が通う美容室などを思い出してください。リラックスできるような空間や音楽が用意されていますよね。
自宅トリミングの際にも、犬がリラックスできるように、テレビの音を消したり、落ち着いたBGMを流したりするのも効果的です。お気に入りのおもちゃやタオルをそばに置くのも安心してトリミングを受けてもらうためにおすすめです。
トリミングに必要なアイテムを準備しよう!
適切な道具を選ぶことが、安全でスムーズなケアにつながります。ここからは自宅トリミングに必要なアイテムを紹介していきます。事前に準備しておき、当日トリミングの際に用意していないということのないように注意しましょう!
犬用バリカン
足裏の毛のカットなど、細かい部分にはハサミよりもバリカンがおすすめです。刃先で皮膚を傷つける心配が少なく、安全に作業できます。

選ぶポイント
- タイプ: 肉球周りや顔周りには刃の幅が狭い部分用バリカンが安全で使いやすいです。全身用は背中など広い範囲をカットするのに適しています。
- 切れ味: 切れ味が良いほど、愛犬の肌への負担を減らせます。刃が鈍くなると毛が引っ張られ、痛みの原因になります。
- 音と振動: 静かで振動が少ないモデルを選ぶと、愛犬が怖がりにくくなります。初めてのバリカン選びでは特に重要なポイントです。
- メンテナンス: 毛や皮脂がつきやすいため、水洗いできるものが清潔に保ちやすいです。
犬用ブラシ
細いピンが、抜け毛や毛玉を効果的に除去。長毛種や換毛期におすすめ。


ラバーブラシ
柔らかいゴム製で、肌に優しくマッサージ効果も。短毛種やシャンプー時に便利。

コーム
ブラッシングの仕上げや、毛並みを整えるのに便利。

爪切りと止血剤


爪の中には血管が通っているため、深く切りすぎないよう注意が必要です。初心者にはギロチンタイプが使いやすいでしょう。万が一に備え、出血を止めるための止血剤は必ず用意しておきましょう。
ハサミとコーム
トリミング専用のハサミと、毛量を調整するスキバサミがあると便利です。ハサミは先端が丸くなった安全なタイプを選び、刃先を愛犬に向けないように慎重に扱います。コームは、カットする前に毛並みを整えたり、長さを決めたりするのに使います。

シャンプー
シャンプーでスッキリ洗いましょう!人と同じように優しい素材、成分を使ったシャンプー選びが良いでしょう。

自宅トリミングおすすめの手順表
自宅トリミングは以下の手順で行いましょう!

Step01 爪切り
血管を傷つけないよう、少しずつ慎重にカットします。心配なら、爪の先端をやすりで削るだけでも効果があります。
Step02 and 04 毛のブラッシング
まずは全身をブラッシングして、毛玉やもつれを取り除きます。トリミングをスムーズに行うだけでなく、愛犬の健康チェックやスキンシップにも効果的!
Step03 シャンプー
シャンプーの前に毛玉を解き、泡をしっかり立てて洗いましょう。目や耳に水が入らないように注意し、すすぎ残しがないよう十分に洗い流します。
Step05 ドライ
タオルでしっかり水気を拭き取った後、ドライヤーで根元まで完全に乾かしましょう。
Step06 毛のカット
初心者は顔周りのカットは避け、まずは足先など難易度の低い部分から始めましょう。
ハサミを使う際は、コームで毛を押さえながら長さを決めるのがポイントです。
バリカンを使う場合は、毛並みに沿ってゆっくりと動かします。
自宅トリミングを楽しい時間にしましょう!
「自分がやっても大丈夫かな…」という不安な気持ちはあるかもしれませんが、その不安は逆に犬の気持ちに不安を生んでしまうかもしれません。
たとえ失敗しても、毛はまた伸びてきますし、完璧な仕上がりを目指すのはやめましょう!
とにかくこの定期的な自宅トリミングの時間をいかに愛犬にとって「心地よい時間」にすることができるかが大切です。
ポイントは準備をしっかりと行い、トリミングのやり方を工夫すること。はじめからうまくはいかないので、飼い主さんも焦らずに少しずつトリミングのやり方をマスターしていきましょう。
これからも大切なご家族と素敵な時間を過ごしてください。
